日本の電車の歴史 馬車
日本では明治時代からは電車運転が始まりますが、初期には電化された区間はわずかで、馬車鉄道が整備された場所も少なくありませんでした。文字通りで車両を馬が牽引するのですが、動力には限界があると同時に、排泄物の処理問題にも悩まされていたのです。同時に人力軌道も整備されますが、こちらも輸送力の能力で問題を抱えていました。
東京馬車鉄道が同種の形式では日本初になりますが、電車の登場によって衰退し、明治36年には電化されています。明治時代とは言っても、街中には西洋的な建物が並び、ガス灯や電柱が整備されていた時代です。常に馬が通るようでは、都市風景と馴染むことが難しくなり、他の車両運行の妨げになることが避けられない状況でした。
馬車鉄道の歴史は短いのですが、電車が登場するまでの中継ぎの役割を果たしたことは確かです。この時代には軽便鉄道も同時に整備されており、簡易でありながらも旧来の輸送手段とは違った乗り物として評価されていました。第二次世界大戦後になっても一部で残されていましたが、現在では完全に消滅しています。それでも、かつての歴史を伝えるために、再現されたものがあるため、電車と鉄道の歴史に興味がある人にとってはうれしいことです。