日本の電車の歴史 蒸気

蒸気

細かいことを言えば蒸気機関車はもちろん電気で走行するわけではありませんから電車ではありませんが、歴史上、電車につながる存在であったことは間違いありません。世界に目を向けると、蒸気機関車は今から200年ほど前のイギリスで発明されました。ただ、レールの上を走行するものとしてこれが初であったかというと実はそうではないようです。もちろん、これはそれ以前から電車やディーゼル機関車があったという意味ではありません。馬などの動物が引く鉄道があったということです。

それはともかく、初走行は1804年のこととされています。トレビシックという人が作った蒸気機関車は、16kmの距離を約4時間かけて完走しました。時速はわずか4kmですから今の感覚でいうとあまりにも遅く、歩くスピードとほとんど変わらず全く実用性がないと思われるかもしれませんが、最初の一歩としては偉大なものだったのです。

別に機関車だけが走行したわけではなく実はこの最初から貨物や乗客も乗せて牽引しており、その点では先を見据えた挑戦だったということができるでしょう。鉄道が便利で将来性があることは誰の目にも明らかとなり、そこからわずか数十年でイギリスの主要都市間には鉄道が敷かれるようになったのです。

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