日本の電車の歴史 上野
東京の上野は、日本の電車の歴史を語る場合には欠かせない地域です。この地に鉄道駅が作られたのは、明治時代の1883年のことです。同じ年には熊谷駅まで開業し、翌年には前橋駅まで開通して明治天皇も乗車した記録が残っています。最初には蒸気機関車が使われますが、東北本線では早い段階で電化したことで、電車も身近な地域になりました。
1927年になると、上野では日本初の地下鉄となる銀座線が作られ、鉄道の歴史に残されることになりました。開削工法で作られた影響で、地下浅い場所にあるのが特徴で、この名残は現在の利用者も実感しやすくなっています。地下を通過するわけですから、銀座線は最初から電化されており、電車が渋谷駅に向けて疾走していました。
戦後の時代になると、無煙化がさらに促進して、蒸気機関車は役目を終えています。東京の北の玄関口としての機能は健在で、新幹線が開業するまでは、東北や北陸方面へ直通する急行列車が多く残されていました。山手線の電車は、ウグイス色の車両が使われる時代になると、利用者の数も爆発的に増加しました。上野東京ラインが開業してからは、北の玄関口としての機能は薄れていますが、現在でも電車の聖地としての魅力がなくなることがありません。